オンラインカウンセリングの特徴と注意点
オンラインカウンセリング
2020年10月1日
オンラインカウンセリングの広がり
新型コロナウィルス(COVID-19)が世界的な広がりを見せた2020年は、
テレワークやオンライン飲み会など、 我々のライフスタイルを変える一年となりました。そうした流れの中で、心理援助サービスにも大きな変化が見られました。その一つが、オンラインカウンセリングの広がりです。オンラインカウンセリングには、対面で行うカウンセリングに比べ、いくつかの点で異なる特徴を持っています。
オンラインカウンセリングの特徴
利便性の高さ
オンラインカウンセリングの最大の特徴は、その利便性の高さにあります。対面カウンセリングはお互いに特定の場所に出向いて行う必要があるため、どうしても専門家がいる相談機関が通えるところにあることが必要となります。そのため、従来の対面カウンセリングの実施は、どうしても相談機関が都市部に集中していることが問題でした。
それに対して、オンラインカウンセリングは通信環境さえ整っていれば、どんな場所でも実施が可能であるという点が大きなメリットであるといえます。移動時間などの制約も少なくなるために、時間的な効率がよくなることも、より手軽に心理援助サービスを受けられるということでは重要です。
遠隔相談特有の問題
その一方で、遠隔相談特有の問題も生じる可能性があります。まずは、通信機器の問題です。受け手側と送り手側、双方が安定し(そして安価な)通信回線を用意している必要があります。また、秘密保持のために、しっかりと暗号化された通信を利用する必要もあります。そして、カウンセリングを受けている間にしっかりとその場でのプライバシーも確保されていることが大切です。例えばいつ家族が自室に入ってくるかわからない、そうした空間では、なかなか落ち着いて相談をうけることは難しい場合もあると考えられます。
また、普段のカウンセリングでは用いている、表情や声色、しぐさなどの非言語的情報も使うことが難しいため、誤解が生じやすいとされています。他にも、対面してないがゆえに衝動的に自他を傷つけるような行為をしてしまったとき、それを止める手段がないということも問題として挙げられる場合があります。
こうした問題はあるものの、オンラインカウンセリングはより多くの人に心理援助サービスを届ける、大きな可能性をもっているということができます。オンラインカウンセリングを受けるための準備については、次の記事で紹介いたします。